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探偵コラム

社内で不貞関係になり解雇!?不倫が生活の中で影響を及ぼす範囲とは

恋愛は個人の自由であり、誰もが止める権利は持ちません。しかし、不倫恋愛だけは別。家庭を壊し配偶者の社会的立場を奪う不倫は、民法上の不法行為にも当たります。不倫が分かると当然周囲にも影響が及びますが、では、社内での不貞関係は解雇の原因になるのでしょうか。不倫すると仕事まで失うの?という疑問に、今回は正しいところを解説します。

仕事以外での不倫の影響についてもまとめたので、ぜひ参考にしてください。

不貞とは?

表題にもある通り「不貞」という言葉は聞きなじみがないかもしれません。まずは不貞の意味から紐解いていきましょう。

夫婦間の浮気・不倫のこと

不貞とは夫婦間の浮気・不倫を指します。メディアなどでよく使われている言葉は浮気や不倫なので、不貞が何か分からない方も多いかもしれません。不貞とは法律用語であり、調停や裁判など公的な場面では不倫・浮気よりも不貞と呼ばれることが多いです。

夫婦間の浮気というと、「夫が私にとって嫌なことをしたら浮気」と人によって基準が異なるかもしれません。ですが、不貞にはきちんと基準が設定してあります。それが配偶者以外の者と肉体関係に陥ったら、でありこうした行為は不貞行為と呼ばれます。

視点を変えると、例え仲の良い関係性の相手がいたとしても、肉体関係がなければ不貞は成立しません。「他の子と二人きりで食事に行った」「キスやハグをしていた」という目撃情報があったとしても、これだけでは不貞の証明にならないため注意が必要です。

不貞をすると起こること

不貞=不倫が起こると、夫婦はどうなるのか今一度考えてみましょう。大きく変化があるのは、

・夫婦が離婚をするかどうか決定できる

・慰謝料が発生する

以上の2点です。不貞と離婚はイコールで考えられがちですが、不倫されても離婚しなくてはならないわけではありません。とはいえ不貞は大きな裏切り行為であり、すぐに決断できなくてもいずれ別れる道を選ぶ夫婦も多い点を頭に入れておきましょう。また、不倫ではその精神的ダメージを受けた配偶者に償うために、慰謝料が発生します。慰謝料は、

・夫婦が離婚した場合…100~300万円

・夫婦が離婚しなかった場合…~100万円

とある程度の相場が決まっており、この辺りの金額で妥当なラインを話し合って決めることができます。

ただ、慰謝料については「〇万円まで請求可能」など限度が決まっていません。当事者の合意さえ取れればいくらでもかまわないため、スターや著名人の不倫報道では億を超える慰謝料が成立することもあるほどです。相場額の数百万円でも簡単に支払えるかというとそうではありませんが、時には何千万円という慰謝料が請求される可能性もあることを知っておかなくてはなりません。

社内不貞関係で解雇。これは正当?

不倫は家庭内だけでも相当な影響を及ぼしますが、私生活への影響もゼロとは言い切れません。当然やってはならないことをしているので、問題になるのは免れないでしょう。

不貞があると「配偶者」「不倫相手」がその罪を問われますが、当事者が同じ職場にいたとして、会社側は不倫のペナルティを当事者に与えるのでしょうか。この記事の本題である社内不貞関係で解雇はあり得るのかどうかを考えていきます。

原則的に会社は不倫関係に干渉できない

不倫が例えどんなに悪いことだとしても、恋愛は基本的に自由です。会社側が当事者の仲を裂くことはできませんし、会社が「社員が不倫をしたから」といって不当な異動や解雇処分を下すのは原則的に不可能です。

社内不貞関係が起こると、まず考えたいのは従業員のプライバシー保護です。家族にばれて離婚したり慰謝料請求されたりすると、周囲の人間には分かってしまうかもしれません。不倫をしたからといってその人に対してパワハラなどハラスメント行為をしてよいわけでもないし、根拠のない噂話をでっちあげ吹聴してよいわけでもありません。

最悪の場合は、当事者がどちらも会社を退職してしまうことも。人材育成の観点から見ても、影響は最小限に抑えなくてはならないでしょう。

社内の不貞関係で解雇になるケース

しかし、懲戒解雇処分が有効とされたケースもあります。ポイントは「不貞関係がどの程度会社の利益やブランディングに影響したか」です。過去の解雇処分は妥当と認められた判例を見てみると、

「運送会社バス運転手が、既婚者であるにもかかわらず未成年女性車掌と不貞関係に。結果、女性車掌は妊娠し中絶、退職となった。重く受け止めた運送会社は該当するバス運転手に解雇処分を出した」

このケースでは、社内不貞関係そのものが職場の秩序を乱すものであり、さらに他女性社員に不安・動揺を与えたものとみなされています。報道されたことで求人に悪影響を及ぼし、運送会社の社会的地位、名誉、信用などを傷つけたと認められたのです。運送会社としても一時的に通常営業ができなくなり、損失も発生しています。このような損害が出る場合は、社内不倫でも解雇される可能性があることを頭に入れておきましょう。

社内の不貞関係で解雇にならないケース

一方で、社内の不貞関係があっても解雇にならなかったケースを見ていきましょう。この判例は平成元年12月27日に旭川地裁で判決が出ています。

「既婚している同僚男性と不貞関係を結んだ女性社員。不倫関係にあることは社内中の噂になり、取引関係者にまで知られることとなった。企業側は信用問題に発展すると女性社員を懲戒解雇処分に。しかし、裁判では懲戒解雇処分は無効となった」

なぜ無効になったのかというと、女性社員の不貞行為は素行不良には該当します。しかし、噂になっただけでは企業の運営そのものに具体的な影響を与えたとはいえず、取引先関係者も不貞を把握していますが取引を中止したり、損害を受けたりなどはしていません。よって、懲戒解雇処分は不当となったわけです。

他にも「不倫相手に都合の良いように出勤シフトを変更した社員」の解雇処分は不当、「昼休憩中に不倫関係にある男女が口論となり、暴力行為がおこなわれた」のも休憩中の出来事であり不倫といっても恋愛関係に会社は口出しできないために、解雇処分は不当となっています。「意外と何をしても解雇にはならないのでは?」と感じる方も多いでしょう。では、この社内の不貞関係で解雇となる基準について考えてみましょう。

社内の不貞関係で影響が出る基準とは?

社内の不貞関係で会社が罰則を与えるのかどうかの基準とは、

・正常な企業の運営を阻害したか

・企業に損害を与えたかどうか

この二つがポイントになります。どの程度阻害したのかも考えなくてはならない点であり、例えば不貞関係で解雇にならなかったケースでも「取引先が一斉に取引を中止し、具体的な損害を企業は被った」のであれば解雇処分は妥当かもしれません。また、社内不貞は社内の人間関係と秩序を大きく乱すものです。社員の数が限られており、極端に言えば従業員5人の企業のうち不倫によって3人が関係し、問題になったのならその影響は大きいと考えられます。

いずれにせよ、懲戒解雇処分となるケースは珍しいにしても不貞によって傷つく方は周囲にたくさんいます。どんな理由があっても、社内不貞は正しいものではありません。

他にも。不貞が周囲に及ぼす影響とは

不貞はこのように職場でも影響が出るものですが、それ以外にも生活に影響はあるのでしょうか。今一度周囲からどのような対応をされるのか考えてみましょう。

相談していた友人から連絡を絶たれる

不倫関係を周囲に言いふらす人は少ないかもしれませんが、不倫という禁断の恋愛に酔ってしまい、友人には打ち明けているという方もいることでしょう。特に女性は恋愛の話を周囲と共有することが多く、友人の不倫を知っているという方も多いです。

最初は相談に乗ってくれるかもしれませんが、不倫は一つの家庭を壊す重大な過失です。「そんな人とは友達でいられない」と連絡を絶たれるかもしれません。不倫をすると友人を失うというのは決して珍しいことではない点を頭に入れておきましょう。

社内で噂になり居づらくなる

先ほどの判例にもありましたが、懲戒解雇処分とはならなくても社内で不倫が噂になり、居づらさを感じて転職する方も多いです。もちろん不倫した従業員になら何をしてもかまわない、ということはないのですが「あの人は不倫をした人」という負のレッテルが貼られてしまう場面は多いでしょう。信頼されなくなったり噂話が辛くなったりして、仕事を変えなくてはならない状態も想像に難くありません。

両親から関係を絶たれる

不倫の経験談を見てみると「不倫が両親にもばれ、勘当された」ということもよくあります。両親にとっても家庭を壊す不倫をした我が子が許せなくて、そこから疎遠になることもあるでしょう。

子供が懐かなくなる、会ってくれなくなることも

全てが該当するわけではありませんが、一例として子供からも不倫をした親は嫌われてしまいます。子供が懐かなくなったり、離婚したのちに状況を把握できる年齢になると「会いたくない」と言われてしまったり…。不倫は家族を裏切る行為なので、こうした最悪の事態が起こることも覚悟しなくてはなりません。

配偶者の不倫が発覚してもやってはならないこと

不貞が会社や周囲に与える影響についてご紹介しましたが、次は「不倫された側」として考えておきたいことをチェックしてみましょう。繰り返しお伝えしていますが、「不倫したのだから解雇になって当然でしょう」と思う方は、その考えは少し間違っています。

不倫は確かに悪いことであり、簡単には許されません。ですが、不貞に関してはどう社会的な制裁を与えるのかは決まっていて、どんな復讐をしてもかまわないわけではないのです。

ここからは配偶者の不倫が発覚した場合に、やってはならないことを見ていきましょう。

「会社にばらす」などと脅迫する

不倫相手や配偶者に向かって、「会社に不倫を話してやる」「会社を辞めろ」と強要することはできません。職場と不貞は関係がなく、いくら不倫当事者が憎くても訴えの正当性はないからです。悪意をもって会社や周囲に不倫を暴露したり、やってはいないことをネット上に本人が分かる形で書き込んだりすると、誹謗中傷に該当する可能性も出てきます。

場合によっては相手が訴えを起こし、反対にこちらの立場が悪くなるかもしれません。慰謝料や離婚、離婚条件などで折り合いをつけ、相手のプライベートな部分には不当な攻撃をしないようにしましょう。

慰謝料を支払えと恐喝する、脅す

慰謝料について納得してくれないからといって、恐喝したり脅したりするのも絶対にやってはいけません。自分が納得する形を取ってくれない当事者にいらだつこともあるかもしれませんが、冷静になれない場合は第三者を含めて建設的に話し合うことをおすすめします。

慰謝料については、なぜこの金額になったのかを分かりやすく説明すると納得されやすいです。相手がどうしても飲みこんで欲しい条件を許す代わりに、慰謝料額を交渉する手段も考えられます。弁護士に弁護をお願いして交渉する方も多いので、ぜひ参考にしてください。

配偶者や浮気相手に暴力を振るう

どんな理由があっても、暴力行為は違法です。暴力を振るったがために今度はあなたが法に問われるので、慰謝料が発生することも自分の提示した条件が飲まれないこともあるでしょう。

先ほども説明したように、暴力という手段に訴えたくなる状態で話し合いをするのはおすすめできません。冷静になるために時間を作ったり、カフェなど開けた場所で話し合ったりすると良いでしょう。信用できる第三者を含めて話し合っても構いません。

まとめ

不貞関係で解雇処分というと、いきすぎた印象を受けるかもしれません。しかし、不倫された側から見ると案外「それは正当」と思えるほど不倫の影響は大きいものです。不倫が分かるとやっておきたいこと、やってはならないことも存在するので、一人では解決できない場合は探偵や弁護士など専門家の力も頼るようにしましょう。

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